はざま医院にて研修をする医学生・研修医の方へ

 はざま医院へようこそ.診療所実習と言うことで,どんな院長なんだろうとdokidokiされてみえるでしょうが,難しく考えずにせっかくの機会ですから,とにかく生のPrimary care の場を見てください.手取り足取りと言う訳には行きませんが,わたしの診療を見て行動観察を行い体験学習してください.以下にいらした医学生の方の感想文をアップしますね

 ところでPirmary careと言う言葉は何を表すのでしょうか.私も開業したてのころPrimary careと聞いても何のことだがしっくり来ませんでした.でもそれはとにかく「何か不調を感じた方が初めて受診する診療の場」と言う意味にとらえていただければ良いように思います.そのような患者さんの一部が紹介されて受診する「病院」の患者さんとの違いを感じ取ってもらえればと思います.

 病院の外来へは,診療所から紹介されたり,患者さん自身が重症だからとわざわざ足を運んだ方を診ることになります (実際にそうなのですが). 一方,実際に医療機関を訪れる頻度の多いCommon diseaseを患った方の大半は,診療所の外来レベルで軽快し病院まで受診することは少ないので,大半のCommon diseaseは,病院の外来で研修するだけでは体験することはできませんし,その頻度の多さを実感することもできません.そこに診療所実習の意義があると思います.

 最近,当院にて研修される学生や研修医の方にほだされて,私も病院外来での見学研修を20年ぶりに行っていますが,正に病院外来ではCommon diseaseを診ることは少ないと言う事を実感しています.

 日本ではフリーアクセスと言って,どなたがどのような医療機関にかかろうとも制限はありません(注).したがって大病院でもPrimary careに相当する方を診る機会がない訳ではありませんが,一般的にその頻度は少ないと思います.したがって大学病院や基幹病院で診療に従事している場合と,「同じ主訴でいながら,どのような疾患がPrimary careの場では多いのか」を体験してみてください.

 Common diseaseの方が沢山受診される中から,見逃してはいけない疾患をいかに問診と身体所見で拾い上げるか,もちろんできるだけエビデンスベースドに診断を進める訳ですが,言葉にできないような患者さんの表情や口調からにじみでる印象によって,これは病院へ紹介すべき疾患ではないかと感じる直感を働かせる勘の付け所というような部分を肌で感じてもらえればと思います.

 次にできればEBMについて学びましょう.EBM学習の行動目標です.実際には短い研修期間ですから,ひとつの英語論文をEBM的に読む体験をしていただければと思っております.そして在宅医療も行っていますから,実際に患者さまはどのようにご自宅で過ごしていらしゃるかも研修して行ってください.

 患者さんの生活の場を見せていただくことによって,一人の患者さんが単に病気を持った人と言う見方から,一個人なのだという風に,研修にみえた方の心の中で変化して来ると思います.その経験によって,病院勤務医になったあとも,他の患者さんについても同じように,家庭を持った人間として患者さん全体像を,あるいは患者さんの家族ごと考えられるヒントになればと思います.

 (注) イギリスでは重篤で緊急の高い疾患を除けば地域ごとに初めに受診できる医療機関が決められています.そのあと必要性が認められると病院へ紹介受診できます.アメリカでは加入している保険会社との契約に支配され,保険会社が指定する診療所や病院に指示に従い受診することになります.本邦のフリーアクセスというシステムは,大変よい医療システムとしてWHOより高く評価されています..


次に効率的な生涯学習について私見を述べたいと思います
症例検討です.一緒に考えてみましょう 症例1
症例検討です.一緒に考えてみましょう 症例2