経鼻的内視鏡について
(わたしのブログより抜粋)

私の職業は内科小児科開業医なんですが,開業して年数もたち胃内視鏡を買い換えることにしました.以前使っていたカメラも先端にCCDが入ったテレビ内視鏡だったのですが,つい発売されたばかりの細径(直径で5.8mm)のものに代えることにしました.

上が従来の内視鏡,下が細径の経鼻的内視鏡

この内視鏡の売りは,細いのに画像がきれいと言うだけでなく,鼻から挿入するため苦痛が少ないということなんです.鼻から入れるのに何故苦痛が少ないか,わたしも疑問だったんです(従来の内視鏡は口から入れます).それは実際にやってみて実感しました.

もちろん鼻も敏感な場所ですから,10分ほどかけて浸潤麻酔をします.つまり歯医者さんでも麻酔に使うキシロカインという局所麻酔薬を細いチューブにつけて鼻にソーと挿入しそのまま5分くらい寝ていていただくんです.そのほかにももう少し工夫があるのですが,これらの前処置のあと鼻から内視鏡を挿入します.検査中もときどき鼻の痛みがないかお尋ねしながら検査を続けます.

さて挿入場所がユニークなだけではなく,鼻からの挿入後も従来の内視鏡とは違った別の特徴があります.みなさんも子供のころ指を口に入れて舌の奥を押してゲーと吐きそうになったことはありませんか?従来の胃内視鏡は口から入れていたため,舌を押してしまい嘔吐反射が強く出ました.ところが経鼻的内視鏡では鼻から入れて咽頭の一番奥を通過するため,舌に触れないんです.ですから嘔吐反射が圧倒的に少ない.これは私たちやっている側も心理的に楽です.

次に経鼻的内視鏡は従来のものに較べて,とてもクニャクニャなんです.ですから胃に入っていってどんどん奥に進めて十二指腸に入れる場合でも,胃の大部を強く圧迫しないので,検査中の胃の張りも楽なんです.

最後に,検査中も患者さんはしゃべれるんです.これも舌が自由に使えるため.まったく不思議な体験です.

身体的負担が少ない経鼻的胃内視鏡は,10年余りの医学と科学技術の進歩を実感させる出来事でした 

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